君が望む永遠レビュー
君が望む永遠、遥と水月ルート終わりました。
それではレビューを始めたいと思います。
もちろんネタバレ有りというか、プレイした人向けのレビューになっています。
辛口レビューになるので、最初に誉めときます。
演出が素晴らしい。
キャラの表情を動かすのはもちろんのこと、空の曇っている様子・雨の描き方等普通のエロゲでは見られない演出が多かったです。
手放しで誉められるところは以上。
ここからは否定的なこと。
まず演出の欠点について。
視覚的な演出は、上で書いたように手放しで誉められます。
しかし、心理的に働きかける演出がなかったように思います。
このゲームの特徴は主人公がとことん悩む描写が特徴ですが、その主人公に感情移入できるような演出かと言われたら、Yesと答えられません。
主人公の描写が物理的にも精神的にも一番大きいウェイトを占める今作では、どこまで主人公の一人語りに納得(必ずしも同調ではない)できるかが作品の価値を決める大きな要素の一つでしょう。
他の作品よりも(しつこいくらい)長い主人公の心情描写をいかに違和感なく見せられるか、これは演出の仕事だと思いますが、残念ながら特に見るべきものはありませんでした。
主人公をエロゲ史上、最大のへたれ主人公と称す人が多いのも、この心理的な演出不足が原因の一端を担っているのではないでしょうか?
さて、主人公の心理描写について触れましたが、考えたのが「おんなじことの繰り返し」という感想です。
遥と水月、そして茜ルートをプレイしましたが、どのルートでも同じことで悩み同じような行動をし、せいぜいラストが変わるだけ(水月ルートの最後は違っていましたが、この点は後で書くことにします)。
そして何度も何度も同じような心理描写を繰り返す。
切り口を変えようとすらしない。
苦痛です。
また、くどすぎる心理描写が問題です。
行間を読む必要がありません。
確かに全てをプレイヤーに分からせるためには、詳しく書く必要があるかもしれませんが、それでは息が詰まります。
全てを書かずに分からせる、そのために「行間を読ませ、余韻を持たせる」という表現方法が物語にはあります。
もし、この方法をとらないのなら、上で書いたように演出で補う必要があります。
それでは本題に入ります。
このレビューのテーマである「遥と水月『ルート』選ぶならどっち!?」
選ぶなら水月ルートです。
ただし、私の考える解釈があっているならという括弧付きで。
プレイしながら何度も思ったのが
「何で主人公はここまで周りに赦されているんだ」
「どうして主人公が誰も選ばないENDはないんだ」
「どうして誰も死なないんだ」
主人公はラストまで「はっきりと」自分で選択しているように見えません。
全て周りの状況次第で選択し「他人が何を思おうとも、これが自分の意思である」といった断固とした姿勢がありません。
ある意味、エロゲー主人公の典型と言えます。
誰も選ばないという選択肢が穏便に済ます一つの手だというのに、結局どのルートでも迷いながら誰かとくっついています。
BADENDも例外ではありません。
何故誰も選ばないという選択肢が無いのでしょうか?
そして誰も死にません。
主人公を含め、死にたいほどの絶望を誰もしません。
彼らはそこまで堕ちていきません。
この3つが私には不自然に見えます。
重いシナリオなのに、18禁ゲームとして成立しているとは思いません。
一つくらい当てはまるENDがあってもいいというのが、私のプレイした印象です。
オルタであそこまでプレイヤーに嫌味をかましたageが作ったゲームとは、とても思えません。
むしろ、この不自然さから、ageからの悪意を感じます。
「これがエロゲーだ」と。
所詮、これはエロゲーだ。
エロゲーだから、主人公が贔屓される。
エロゲーだから、ヒロインとくっつく。
エロゲーだから、Happy End。
そんな悪意で作られたのではないかと思ってしまいます。
「君が望む永遠」というタイトルも、「そんなものは無い」という裏返し。
水月ルートで遥の作った「ほんとうのたからもの」は、友情を裏切られたという彼女の恨み節を形にしたもの。
永遠の愛なんて無い
壊れないものは無い
結局、水月ルートでは遥ルートのように全員が一堂に会すシーンはありません。
茜ルートのように和解シーンはありません。
私には「ほんとうのたからもの」がやさしい挿絵と語り口の裏で、遥の歪んだ悪意が透けて見えます。
ここまでのメッセージを込めた作品であるならば、とんでもないゲームだと認めます。
上で挙げた欠点が全て伏線に変わりますから。
そういう解釈で、水月ルートを選びます。
「ageの悪意」と書きましたが、不快感は感じません。
いっそ清々しい。
あー、こんなこと書きましたが、自分に突っ込み。
さすがに、こんなことは無いだろう。
字面通りにタイトルを読むとすれば、今回のレビューのお題の答えとして、遥ルートのBADENDを選びます。
主人公にはあのENDがふさわしいと思いますから。
これが私の君が望む永遠レビューです。
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